オレンジライト〜明るい日々へ〜
夜。
私は涼也の声が聞きたくて、事件後2回目の電話をかけた。
今までずっと毎日のように涼也と会っていた。
面会謝絶になってから、初めて涼也と離ればなれになったと言って良いほど、ずっと涼也と一緒にいた。
携帯電話使用エリアで壁に寄りかかる私。
私の家のベランダにいる涼也に着信が入る。
「もしもし、舞梨奈?」
「涼也、こんな夜遅くにごめんね。」
「ううん。何かあった?」
「何もないよ。ただ涼也の声が聞きたかったの。」
「俺も舞梨奈の声聞きたかったよ。あと3日会えないんだな。」
「うん…。」
「舞梨奈、あれから歩けるようになった?」
「壁づたいにゆっくりとなら歩けるようになったよ。でももっと歩けるように頑張らないと。」
「そっか。頑張れよ。」
涼也は私を励ましてくれて、それから少し話した。
「涼也と話せて良かった。」
「俺も舞梨奈と話せて良かったよ。」
「じゃあ、またね。」
「あ、舞梨奈。」
「ん?」