オレンジライト〜明るい日々へ〜
それに傷の状態が悪くなくても痛む左腕が気になる。
外出許可の時間が一分一秒でも残っているなら、なんとかしてでも千歌ちゃんの望みを一緒に過ごしたい。
そんな思いから、痛いのを我慢して無理していた。
いくら傷の状態が悪くないっていっても、まだ完治していないから、無理は禁物。
そんなこと分かっているけれど、千歌ちゃんの望みにはかえられなかった。
すると、《ビューティフル ガーデン》に着いた。
「千歌ちゃん、ここだよ、《ビューティフル ガーデン》。」
「うわ~綺麗なお花いっぱいだ~。」
千歌ちゃんが目をキラキラと輝かせながら言った。
「あら、舞梨奈ちゃん!」
谷岡さんが気づいた。
「こんにちは。」
挨拶する私。
「退院したの?」
谷岡さんが驚きながら聞く。
「いえ。退院は2週間後で、今日はそれに向けた外出許可が出てるんです。」