オレンジライト〜明るい日々へ〜
「うーん、お花も絵も好きだけど…看護師になりたい。看護師になって、お母さんみたいな病気の人を助けたい。それに、もう私たちと同じ思いをしてほしくないから。元気に生きてて欲しいの。」
千歌ちゃんがそんな風に思ってたなんて…。
「千歌ちゃん…。お母さんきっと嬉しいはずだよ。」
琴音さんだけじゃない。
私も嬉しいんだ。
そして、数時間の外出は終わり、病室へ戻った。
「千歌ちゃん、今日はありがとう。」
「私こそ。楽しかったよ。それより、舞梨奈お姉ちゃん、腕大丈夫?」
千歌ちゃんは私のおさえた腕を見て聞く。
「うん、大丈夫だよ。ごめんね、心配かけて。」
「ううん。じゃあ、またね。」
千歌ちゃんは手を振った。
「うん。またね。」
私も左手で手を振った。
千歌ちゃんが部屋を出た後、痛みを我慢してた左腕を見てみると、血が少し服ににじんでいた。