オレンジライト〜明るい日々へ〜
「そんなの簡単に受け入れられるかよ。本当の親だと思ってたのに。」
そう言い捨てて涼也は外へ出て行った。
「涼也!」
佳苗さんは叫んだ。
「私、追いかけて来ます。」
そう言って、頭を少し下げた。
「舞梨奈ちゃん。」
佳苗さんは呼んだけど、私は足を止めなかった。
外。
「涼也!」
私の息を切らせた呼びかけに涼也は振り向き足を止めた。
「舞梨奈も知ってたんだね。」
「違うの。カフェに行ったら、偶然話が聞こえたの。ごめん。」
「そう。悪いけど、今は1人にさせて。」
「うん…。」
私の返事を聞くと、涼也は悲しげな表情で行った。
どうかこれが夢であってほしい。
私たちはそう願うばかり。
悲しい現実はそう簡単に受け入れることが出来なかった。
夜遅く。
涼也が家に来た。
「涼也。」
私が涼也の名前を言った表情を見て、お兄ちゃんが異変に気づく。