オレンジライト〜明るい日々へ〜
「お兄ちゃん、おはよう。」
「おはよう。」
「涼也は?」
「まだ部屋じゃないの?」
「ううん、部屋にはいなかった。」
「え…。靴は?」
お兄ちゃんと私は玄関へ行った。
「なくなってる…。でも、携帯と荷物は部屋にあったよ。」
「まさか。」
お兄ちゃんの一言で、私は嫌な予感がした。
「俺、探しに行ってくる。」
「うん!私、佳苗さんに連絡してみる。その後探しに行くから。」
「退院して間もないのに大丈夫か?」
「うん。」
そして佳苗さんに連絡してみた。
「もしもし。」
「もしもし、佳苗さん。そっちに涼也いませんか?」
「ううん、帰って来てないけど。どうかしたの?」
「涼也がいなくなったんです。すみません。部屋に携帯と荷物残して、どこかへ行っちゃって。」
「探しに行くわ。」
「涼也が帰ってくるかもしれないので、佳苗さんたちはそこにいてください。私とお兄ちゃんで涼也、必ず見つけますから。」