オレンジライト〜明るい日々へ〜
「分かったわ。涼也のことよろしくね。」
「はい。」
そう言って、電話を切った。
佳苗さん、とても心配そうだった。
早く涼也を探しに行かないと。
私はすぐに家を出た。
朝早いから、大学も涼也のバイト先もまだ空いていない。
白く光る朝日が眩しい町に私とお兄ちゃんの呼び声だけが聞こえた。
数十分かけて涼也が行きそうな場所を2人で探し回った。
でも、涼也はいない。
そして、お兄ちゃんと合流。
「いた?」
「ううん。涼也の家にも帰ってないみたい。」
「そうか。もう1回探してみよう。」
「うん。」
また二手に別れて、涼也を探しに行った私たち。
もう涼也の行きそうな場所はないはず。
いや…。
1つある。
涼也が行きそうな場所、もう1つある。
すぐ行ってみた。
息を切らせながら、あたりを見渡す。
すると、向こうに見覚えのある後ろ姿が見えた。