オレンジライト〜明るい日々へ〜
手すりに手をかけて、海を眺めている涼也。
涼也だ…。
とっさにお兄ちゃんに電話をかけた。
「はい。」
「お兄ちゃん!いたよ。涼也、海にいたよ。」
「分かった。すぐ行く。」
電話を切って、涼也の所へ行った。
「涼也…。」
私の声にゆっくり振り向く涼也。
「舞梨奈。…どうしてここが?」
「お兄ちゃんと探し回って、やっと見つけたの。」
「そうか。」
「どうして急に家を飛び出したの?すごく心配してたんだよ…?」
すると、お兄ちゃんが走ってきた。
「夢希斗くん。」
「涼也…。」
「頭を冷やすためにここへ来たんだ。」
「え…。」
涼也の言葉に私は声が出た。
「家にいてもいろんなこと考えてしまうから、1人で落ち着く場所に行ったら、ほんとの子供じゃないこと、冷静に受け入れられるかなって。俺、ちゃんと両親と向き合うよ。」
涼也は微笑んだ。