オレンジライト〜明るい日々へ〜
「良かった。」
私は安心した。
「急に家を飛び出してしまってごめん。心配かけたよね。」
「心配どころじゃないよ、ほんと。でも、安心したよ。」
お兄ちゃんも笑顔になった。
そして、佳苗さんと大輝さんの所へ向かった。
涼也が扉を開くと、それを見た佳苗さんたちは驚いた。
「「涼也!」」
私とお兄ちゃんが涼也の後ろで見守ると、涼也は振り向いた。
私たちは背中を押すようにうなずくと、涼也もうなずいた。
「父さん、母さん。俺が父さんたちのほんとの子供じゃないって聞いた時、受け入れられなくて正直どうしたらいいか分からなかった。舞梨奈の家に行っても、いろんなこと考えてしまって、冷静になれずにいた。だから、1人で落ち着く場所に行って、頭を冷やしたんだ。急に家、飛び出して舞梨奈と夢希斗くん、父さん母さんには心配かけてしまった。だけど、ちゃんと父さんと母さんと向き合おうって思えた。これからもずっと、俺の両親は変わらない。俺の両親は父さんと母さん、2人だけだから。」