オレンジライト〜明るい日々へ〜
いくらなんでもやっぱり一人で出歩かないわけにはいかない。
バイトから帰ると、お兄ちゃんと涼也は帰っていた。
「ただいま。」
「舞梨奈おかえり。」
「おかえり。」
涼也とお兄ちゃんが続けて言った。
「ご飯出来てるよ。」
涼也が笑顔で言った。
今日は涼也が作ってくれたんだ。
「うん。」
「どうした、舞梨奈。何かあったのか?」
涼也が聞いた。
涼也の言葉にお兄ちゃんは私に目を向けた。
ダメだな私。すぐ顔に出ちゃう。
「事件の犯人、3人いたでしょ?今日利香子さんから連絡があって、実はそのうちの1人が脱獄したらしいの。昨日の深夜に警備員が巡回に回った時にはもういなくて、防犯カメラにも写ってなかったみたい。」
「うそだろ。佐野さんじゃないんだよな?」
お兄ちゃんが言った。
「うん。」
「ちゃんと捕まったのに、なんで脱獄なんかしたんだよ。」
涼也も怒りを隠せなかった。