オレンジライト〜明るい日々へ〜
「うん。…お兄ちゃん。」
「ん?」
「怖かった…。」
「舞梨奈?どうしたんだよ…?」
「さっき帰る時、誰かにつけられてたの。」
「え…。」
「利香子さんに電話して近くに来てもらって、家まで送ってもらった。」
「そうだったのか…。怪我とかはなかったの?」
「うん、大丈夫。それに、誰かなのかも分からなかったし。」
「まさかそれって、脱獄した真壁なんじゃ。」
「分からない。でも、その可能性高いと思う。」
「そんな。」
お兄ちゃんにも私にも絶望と悲しみが降り注いだ。
翌日。
有村さんと利香子さんが家へ昨日の話を聞きに来た。
話すだけでも怖い思いがまた襲ってくる。
私の苦しい日々は終わったはず。
なのにどうして…いつまでもこんな思いしなきゃいけないんだろ。
利香子さんたちが帰った後、大学へ行く準備をしていた。
1人でいると、どうしても昨日のこと考えてしまう。
気が紛れるようなことないかな。
そんなことを思った。