オレンジライト〜明るい日々へ〜
「舞梨奈ちゃん、このまま電話切らないで。すぐ向かうから。」
「うん。分か…あ…」
目を向けた先に真壁がいた。
「逃げるぞ!」
涼也が言った。
それを全部電話越しに聞いていた利香子さんは、特捜班に伝えた。
そして、またしばらく走って建物の影に隠れた。
「ここなら大丈夫だろ。」
「警察もすぐ向かうって言ってたから。」
「そうか。」
「お前らここにいたのか。」
真壁が少し疲れ果てた様子で姿を現した。
「どうして…。」
私の怯える声。
「お前らに会うために脱獄してきたんだよ。」
真壁は刃物を私たちに向けた。
涼也は私を守ろうと私の体の前に腕を伸ばした。
「舞梨奈には絶対に手を出すな。」
「俺はその女の命を狙い続けるって決めたんだ。」
「舞梨奈のことはもう十分すぎるくらいに傷つけただろ。これ以上舞梨奈に手を出すなら、俺が相手になる。」