オレンジライト〜明るい日々へ〜




「舞梨奈ちゃん、このまま電話切らないで。すぐ向かうから。」



「うん。分か…あ…」


目を向けた先に真壁がいた。



「逃げるぞ!」


涼也が言った。



それを全部電話越しに聞いていた利香子さんは、特捜班に伝えた。



そして、またしばらく走って建物の影に隠れた。


「ここなら大丈夫だろ。」


「警察もすぐ向かうって言ってたから。」


「そうか。」


「お前らここにいたのか。」

真壁が少し疲れ果てた様子で姿を現した。


「どうして…。」


私の怯える声。


「お前らに会うために脱獄してきたんだよ。」


真壁は刃物を私たちに向けた。


涼也は私を守ろうと私の体の前に腕を伸ばした。

「舞梨奈には絶対に手を出すな。」

「俺はその女の命を狙い続けるって決めたんだ。」


「舞梨奈のことはもう十分すぎるくらいに傷つけただろ。これ以上舞梨奈に手を出すなら、俺が相手になる。」



< 187 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop