オレンジライト〜明るい日々へ〜
「涼也は?」
「内蔵に問題が無かったよ。念のため1日だけ入院が必要だけど、明日のお昼にはもう帰っていいって。」
「そうか。真壁のやつほんとに許せない…。まさかこんなことになるなんて…。」
「お兄ちゃん…ごめん、私、なんだか見てられないや…。」
「俺が見てるから大丈夫だよ。1人で平気か?」
お兄ちゃんは優しく言った。
「うん…。」
私は病室を出た。
色んな感情が混ざり合う私の心。
大切な人が傷ついて苦しんで病室のベッドの上にいることがこんなにも辛かったんだ。
お兄ちゃんや涼也たちも、きっと私と同じ思いだったんだ。
胸が痛くなって涙が頬をつたう。
病室がある階の休憩スペースの窓から外を見る。
日がもうすぐ暮れる。
太陽がオレンジの輝きを放っていた。
すると利香子さんから着信。
「もしもし。」
「舞梨奈ちゃん?その後の舞梨奈ちゃんと涼也くんが心配で、気になって…。」
「涼也は内蔵には問題ないけど念のため1日だけ入院が必要だって。」