オレンジライト〜明るい日々へ〜
第9章〜願い〜
忘れない
2日後。
今日は両親が亡くなって、8回目の命日。
私もお兄ちゃんも花束を持って、両親がひき逃げにあった場所へ向かった。
「お母さんたち、生きてれば今日で結婚して28年だったんだよね。」
「そうだな。ケーキとか花束とか、もっとたくさん祝いたかったよ。」
「うん。今頃、天国で何してるのかな。」
「もう一度、天国で結婚式あげてたりしてな。」
「それ、お父さんらしいかも。自分よりも家族や他人を1番に考える人だったもんね。お母さんが喜ぶからって天国で結婚式何度もあげるんだろうな。」
私たちは微笑んだ。
現場へ着くと、8年たった今でも多くの献花が手向けられていた。
私のお父さんは町の中で有名な刑事だった。
優秀で被害者に1番寄り添って、正義感がすごく強かった。
そんな人柄から親しまれていたのだ。
私たちも献花し、手を合わせた。
「帰ろうか。」
優しく声をかけるお兄ちゃん。
「うん。」
すると私の携帯のバイブが鳴った。