オレンジライト〜明るい日々へ〜
衝撃的な真壁の動機に私たちは動揺を隠せなかった。
まさかお父さんお母さんを死なせたあのひき逃げ事件と関係があったなんて...。
私たちは夜眠りにつくまで、気持ちの整理ができずお兄ちゃんも私も無言のまま過ごした。
決して喧嘩してるわけでもギクシャクしてるわけでもない。
ただただ真壁も真壁の父親も許せなかったんだ。
翌朝。
私が起きてリビングに行くと、お兄ちゃんは仕事を行く支度をしていた。
「お兄ちゃん。」
「おはよう。」
「おはよう。」
「舞梨奈...大丈夫か?」
「...うん。」
「無理するなよ。」
「お兄ちゃんも。」
「うん。じゃあ、行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
大して言葉は交わさなかったけれど、お互いの気持ちが通じているように感じた。
それから1週間が経った日の朝。
朝一から講義が入っていた私は涼也と一緒に大学へ向かっていた。