オレンジライト〜明るい日々へ〜
「ん?」
「抱きしめていい?」
「いいよ。」
私は涼也を力強く抱きしめた。
「大丈夫。大丈夫。」
涼也は優しくゆっくり背中をさすってくれてる。
その瞬間、私の目から涙が1滴こぼれた。
この日を境に何かのスイッチが入ったように、フラッシュバックや悪夢、手の震え、1人でいると突然こわくなって涙がこぼれることがすごく増えた。
真壁の衝撃的な動機を知ったことそして強いフラッシュバック、それらが続いてしまったからなのかもしれない。
私はバイトや学校以外はほとんど家に引きこもるようになり、心から笑うことも少なくなった。
事件は終わっても、その後も傷は癒えない。
私は苦しみ続けた。
薬は飲み続けて水野先生とのカウンセリングも頻繁に行った。
それでも状態は何ひとつ変わらなかった。
こんな日がいつまで続くのだろう。