オレンジライト〜明るい日々へ〜
「ただ逃亡しているだけなら、姿を見られたくないから、あんなに防犯カメラに映ったり、現場近くで凶器を買わないはずだろう。裏を返して、舞梨奈ちゃんをまだ狙っているとしか思えないんだ。」
有村さんが真剣な顔で言った。
「だとしたら、まさか…。」
真壁らしき人が向かった方向には、私の大学がある。その周辺で私を見つけ、狙うかもしれないと利香子さんはそう考えたその瞬間。
キャー!!!
近くで鳴り響く私の悲鳴。
二人とも驚いた。
「こっちだ!」
有村さんが言った。
「はい!」
利香子さんはそう言って有村さんと私の声のする方へ走る。
真壁は私の左腹部を奥深くまで刺していた。
そして真壁が刃物を勢いよく抜いた。
私は必死に左腹部をおさえる。
息も苦しく荒い。
私は後ろの壁に寄りかかり、そのまま座り込んでしまった。