オレンジライト〜明るい日々へ〜
第3章~苦痛~
闘いの始まり
十数分後。
利香子さんから連絡をもらったお兄ちゃんが、涼也に電話をかけ、涼也の携帯に着信が入った。
「もしもし。」
「涼也くん!舞梨奈が…。」
「舞梨奈がどうかした?」
「舞梨奈が刺された…。」
「え…」
涼也は声を失った。
数分後、桜木総合病院救命救急センターの待ち合い室。
利香子さん、三浦さん、お兄ちゃんが手術中の私の無事を祈っている。
すると、涼也が駆けつけた。
「夢希斗くん!」
涼也の声に2人は立ち上がる。
「涼也くん。」
「舞梨奈は?」
涼也が息を切らせながら言った。
「さっき手術が始まったよ。」
お兄ちゃんがゆっくり言った。
「そうか…。」
涼也は小さい声で言った。
「2人とも本当に申し訳ない。舞梨奈ちゃんを助け出すことが出来なくて…。」
三浦さんと利香子さんは頭を下げた。
「三浦さん…。」