オレンジライト〜明るい日々へ〜
「ごめん。何かしてないとおかしくなりそうで。」
「俺も同じだよ。こんな時に舞梨奈のそばにいてあげられないなんて…。」
お兄ちゃんは言った。
「あぁ…。」
涼也は少し小さい声で言った。
「刑事さん。舞梨奈はここに運ばれて来るまでどんな状態だったんですか?」
涼也が聞く。
「あの近くで捜査していたら、突然悲鳴が聞こえてきて、近くの工場の倉庫へ行ったら舞梨奈ちゃんは既に刺されていたの。大量に出血もしていて苦しそうだった。でも舞梨奈ちゃん、力を振りしぼって『死にたくない』って言ってた。その後、救急車が到着したときにはもう意識は…。」
利香子さんは首を横に小刻みに振った。
「そんな…。」
涼也が言うと、お兄ちゃんはうつむいた。
すると、扉が開いた初療室から藤沢先生が出てきた。
「先生!」
お兄ちゃんがそう言って立ち上がると、利香子さんたちも立ち上がり、3人はお兄ちゃんの隣へ行った。