オレンジライト〜明るい日々へ〜
中学1年の春、私の誕生日に夕陽が綺麗に見える大好きな海で告白され付き合っている。
優しくてかっこいい彼が大好き。
そんな幸せな日々が続いていた小学5年生のある日。
この日は私の両親の結婚記念日。
外食に出かけている両親の代わりに、お兄ちゃんが夕食を作ってくれることになった。
夕方、お兄ちゃんと一緒に買い出しに行った道でのこと。
斜め前の交差点で両親を見つけた。
その時…。
信号無視した車が両親を跳ねて去っていった。
ひき逃げはまるでスローモーションのように見え、まわりの音を消し去る。
涙も流れない…。
声も出ない…。
この複雑な気持ちは一体なに…。
ただ唖然としてしまい、しゃがみ込んでしまった。
「舞梨奈!」
私の名前を呼ぶお兄ちゃん。
「大丈夫。大丈夫…。」
そうお兄ちゃんは言い、動揺しながらも私の肩をさすってくれた。
両親は桜木総合病院の救命救急センターに運ばれ、同時に涼也のお母さんの佳苗(かなえ)さんも駆けつけてくれている。