オレンジライト〜明るい日々へ〜



「舞梨奈…。」



お兄ちゃんが言った。


その頃、病室の扉の向こうには自首しに来た佐野さんがいた。


私たちの話が聞こえて、ドアノブに手を掛けたが、その手は降りた。




「隠すつもりはなかった。ただ言えなかったの。」




「どうして言えなかったの?」


瀬崎さんが聞く。




「お兄ちゃんが知ったら、きっとショック受けてしまう。そう思って、こわくて言えなかった…。」



「どういうことだよ…?」


お兄ちゃんが恐る恐る聞いた。



「共犯者は、佐野さんなの…。」


「うそだろ…。」


お兄ちゃんは予想通りショックを受けた様子だった。



「詳しく聞かせてもらえる?」




利香子さんが聞き、うなずく私。



「その人、佐野準矢さん。お兄ちゃんの会社の同僚で、家も近所だから親しかった。刺されたとき、殺人計画一緒にやるって言っただろって真壁が佐野さんに言ってた。でも、佐野さんはそんなことする人じゃない。



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