オレンジライト〜明るい日々へ〜
お兄ちゃんも私もいつも優しくしてもらってるし、真壁を何度も何度も止めてた。」
「俺も悪い人じゃないと思う。佐野さんが間違えて俺のオフィスの鍵を持って帰ってしまったとき、わざわざ家まで届けに来てくれたんだ。」
お兄ちゃんも言った。
「ありがとう、話してくれて。事件の後から、連絡は取ってないの?」
利香子さんが聞いた。
「取りたくても繋がらない。家の電話も携帯も。」
私が言う。
「会社にも事件の後、ずっと来てないんだ。家に行っても留守だし。」
私に続けてお兄ちゃんも話した。
「そうか。」
瀬崎さんが言う。
すると、扉が開いた。
そこには佐野さんがいた。
私とお兄ちゃんが驚く。
「佐野さん!」
お兄ちゃんが叫ぶ。
「えっ!」
利香子さんがお兄ちゃんの言葉に驚く。
「お前が佐野準矢なんだな?」
瀬崎さんが立ち上がる。