オレンジライト〜明るい日々へ〜



「佐野さん!」



私が呼び止めると、佐野さんはゆっくり振り向いた。




「何年経っても必ず待ってます。」



「また一緒に飲みに行きましょう。」



私に続けてお兄ちゃんも言った。




佐野さんは私たちの言葉を聞いて笑顔でうなずいて行った。




そして、お兄ちゃんは私の肩をさすってくれた。




佐野さん…。



こんなことがあったなんて…。




しばらくして、お兄ちゃんと病室へ戻ろうと階段を下りながらお兄ちゃんと話す。




「舞梨奈。俺がショック受けると思って佐野さんが共犯者なこと言えなかったの、辛かったよな?舞梨奈がそこまで考えてくれてて嬉しかった。ありがとう。」




お兄ちゃんが言った。




「ううん。」




笑顔になる2人。




病室のある階の最後の段を下り、廊下へ出ようとしたとき、突然息が苦しくなり私の足は止まった。



「舞梨奈?」



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