ビターな洋菓子店
それもそうだろう。
あの苺のタルトに出会ってしまった日から私は毎日ここに訪れては響さんに懇願した。
『 苺のタルト 』 を下さいと。
毎日訪れて頼み込んでも、あの日以来苺のタルトを出してくれることはなくて、痺れを切らした私は履歴書と共に響さんに詰め寄ったのだ。
『 売ってくれないなら働かせてください 』ーーーと。
我ながらなんて強情なんだと思ったが、どうしても苺のタルトが欲しかったのでこれなら一つぐらい売ってくれるだろうと思ったのだけれど‥‥‥
『じゃあ明日から来て 』
この一言に足元から崩れ落ちた。