ビターな洋菓子店
「 女子に向かって失礼な! 」
この矛盾した ” bitter ” の成り行きを聞けば響さんは教えてくれるだろうか。
「 そのカサついた唇を潤すまでは女子にはなれないと思うけど 」
「 ーーーーーっ!? か、乾燥肌なんですっ 」
「 あっそ 」
いや。
そんな事を聞き出すよりも、響さんにデリカシーというものを教えるのが先だ。そう怒りに震えていた矢先、
「 いらっしゃいませ 」
カラン。とドアベルが音を立てた。