ビターな洋菓子店
それとこれとはまた別でして、と付け加えるも響さんは 「 無駄に笑顔振りまくぐらいなら売れなくてもいーし 」 と何とも捻くれ思考な事を呟く。
こんなにも素敵なスイーツ達。
私は一つでも多く誰かに食べてほしくて、毎日助言をしているのに響さんは何一つ聞き入れてくれることはない。
「 ‥‥‥そんな無愛想だと可愛いケーキ達が残っちゃいますよ? 」
この店に足を踏み入れてから早2ヶ月。
自分が生み出したわけではないが、異常なほどに愛着の湧くスイーツ達を見つめながらため息を吐く。
確かに響さんの主張もわかる。
ここにあるスイーツ達は全て美味しいし、媚びなんて売らなくてもお客様には満足してもらえるものばかりだ。
けど、ここのファンの一人の私としては少しでも多くのスイーツ達を誰かの虜にする為に、響さんの美貌を売るための ” 秘策 ” にしてもいいじゃない? と思う。