ビターな洋菓子店
「 あ! めぐちゃん! 」
やっほーと手をひらひらさせるめぐちゃんに私はカウンターを飛び出して「 どうしたの? 」 と手を握った。
「 そこで撮影だったの 」
と、見慣れた愛らしい笑顔に私の胸はキュンとした。
めぐちゃんは近所に住む幼なじみだ。
2つ上のめぐちゃんは高校生の頃からティーン雑誌のモデルをしていて、小さな頃から仲良しな私としては自慢のお姉さん。
そんなめぐちゃんの来店にご満悦な私は、” the 女の子 ” といった雰囲気を纏うめぐちゃんを見た響さんの眉間の皺がいつもより寄っていることに気付かなかった。