ビターな洋菓子店


「 いつも聞いてるんです。遙の言ってた通りとっても素敵なお店とパティシエさんですね 」

「 いえ。” 遙さん ” が褒めてくれていたなんて、すっごく嬉しいです 」


ここでお気づきの方もいらっしゃるだろう。
響さんが初めて私の名前を口にしたということに。

響さんの考えていることが全く分からないまま、恐怖で震える私。
しかし、これが通常だと思っているめぐちゃんは、「 マンゴープリンお願いできるかな? 」 といつもの笑顔でショーケースの端を指差した。


「 ‥‥マンゴープリン? 」

「 うん。今日家で卒業祝いなんだけど、大地ケーキ苦手でしょ? 」



そういえば。




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