ビターな洋菓子店
「 え? ‥‥そ、そうかな? 」
「 そうでしょ! え? もしかして響さんと毎日一緒にいてなにも思わないの!? 」
ヒソヒソと耳元で話すめぐちゃんに、本性知ったらそんな気もどこかに失せるよと教えてあげたかったけど、ここにやってくるお客様を思い出し、そうでもないという事実に口を噤( つぐ )む。
「 すっごいタイプ! どうしよう‥‥ 」
「 ‥‥響さんみたいな人がタイプなんだ 」
「 だってあの笑顔見たら誰だってキュンってしちゃうよー! 」
まぁ、私も初めて見ましたけどね。あんな恐ろしい笑顔。と心の中で呟き、
「 そ、そだね 」
当たり障りなく肯定しておいた。