ビターな洋菓子店


「 狙っちゃおっかなー 」

そう言っためぐちゃんはとっても大人っぽくて、「 いいでしょ? 」 と微笑んでは私に有無を言わさない。

「 あー‥ うん‥‥。 めぐちゃんがいいなら‥‥ 」


心の底ではボロボロに傷つく姿しか想像出来ないから辞めといたほうがいいよと思うのに、何故かそれだけじゃない胸の痛みを感じ何も言えなかった。


「 お待たせいたしました。お祝いのプレートはこちらでよろしいですか? 」


そんな私たちの異様な空気を知るはずもない響さんは、” 大地くん 卒業おめでとう ” と書かれたチョコプレート付きのデコレーションケーキを持って厨房から姿を見せる。






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