ビターな洋菓子店


けど当の本人は考えているのか否か、


「 そうなったらお前が全部食べていいよ 」

と私の頭を軽く叩いた。

「 それじゃ意味がないです 」

「 なんで 」

「 他の人に食べて欲しいんです! 」

「 俺に惚れただけの奴に? 」

「 うっ、‥‥きっかけはそうかもしれないけど 」

「 けど? 」

「 だけど、私、ここに来る人全員にここのスイーツ達を好きになって欲しいんです。きっかけはどうであれ一人でも多くの人に食べて貰えることで、このお店、いや、響さんのスイーツ達が誰かの元に喜びを届けれると思うんですっ!」


そう。あれは2ヶ月前。
私がここのお店の虜となった日の事ーーーー。




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