ビターな洋菓子店
初恋は小学生のときだ。それはよく覚えている。
そして次に好きかもと意識したのは中学の時で、でもよくよく考えるとどこからが恋でどこまでが友情なのかこの年になっても分からない。
なので途中で言葉に詰まった私を見下ろしながら「 ふーん 」 と呟いた響さんに私は突っ込むことができなかった。
「 お疲れ様です! 」
「 疲れるまで働いてから言え 」
「 ‥‥‥働いたつもりですけど 」
午後8時。bitterの閉店時間、最後の片付けを終わらせいつものように憎まれ口を叩かれながら店を後にしようとした。
ーーーー その時、
「 ちょっと着いてこい 」
そう言って戸締りをした響さんに家路へとは違う方向へ腕を引かれた。