ドルチェ セグレート
今、なんて……? なんで、諏訪さんが神宮司さんを?
全く理解できない状況に、混乱を通り越して頭の中が真っ白。
呆然と立ち尽くし、諏訪さんの後ろ姿を見つめる。
あまりに予想外の出来事だったため、視野が狭くなっていたとしか言いようがない。
――彼が現れたことに気づくのが遅れたのは。
「お待たせしました。私が神宮司ですが」
その声に、弾かれたように顔を上げる。
すると、向こうも伏せてた目を上げ、私の存在に気づいた瞬間、目を剥いのがわかった。
互いに時間が止まったように、視線を交錯させる。
その時間を動かしたのは、視界に割り込んできた諏訪さんだ。
「あなたですか。初めまして。諏訪仁成と申します」
一体なにを……?
ただただ、何も言えずに目の前のふたりを見つめるだけ。
私の視線を背負いながらも、諏訪さんは言葉を続ける。
「単刀直入に申し上げますが、ウチの河村を、振り回さないでいただけますか」
「……は?」
物腰柔らかく話しかけるのは、いつもの仕事中の諏訪さんだ。
だけど、内容があまりにも突拍子もなくて、神宮司さんが声を漏らすのも無理はない。
「ちょ、ちょっと、諏訪さん! なんですか、それ!」
さすがに、もう傍観するだけじゃいられない。
一歩踏み出し、諏訪さんの横顔に訴えかける。
それなのに、動揺してるのは私だけで、諏訪さんはちっとも狼狽する様子すらみせない。
むしろ、私の存在を無視するようにこちらに一度も目を向けず、神宮司さんと対峙したまま。
全く理解できない状況に、混乱を通り越して頭の中が真っ白。
呆然と立ち尽くし、諏訪さんの後ろ姿を見つめる。
あまりに予想外の出来事だったため、視野が狭くなっていたとしか言いようがない。
――彼が現れたことに気づくのが遅れたのは。
「お待たせしました。私が神宮司ですが」
その声に、弾かれたように顔を上げる。
すると、向こうも伏せてた目を上げ、私の存在に気づいた瞬間、目を剥いのがわかった。
互いに時間が止まったように、視線を交錯させる。
その時間を動かしたのは、視界に割り込んできた諏訪さんだ。
「あなたですか。初めまして。諏訪仁成と申します」
一体なにを……?
ただただ、何も言えずに目の前のふたりを見つめるだけ。
私の視線を背負いながらも、諏訪さんは言葉を続ける。
「単刀直入に申し上げますが、ウチの河村を、振り回さないでいただけますか」
「……は?」
物腰柔らかく話しかけるのは、いつもの仕事中の諏訪さんだ。
だけど、内容があまりにも突拍子もなくて、神宮司さんが声を漏らすのも無理はない。
「ちょ、ちょっと、諏訪さん! なんですか、それ!」
さすがに、もう傍観するだけじゃいられない。
一歩踏み出し、諏訪さんの横顔に訴えかける。
それなのに、動揺してるのは私だけで、諏訪さんはちっとも狼狽する様子すらみせない。
むしろ、私の存在を無視するようにこちらに一度も目を向けず、神宮司さんと対峙したまま。