ドルチェ セグレート
日曜日だったため、店はなかなか賑わいをみせていた。
そんななか、新たに並べた新商品を前に足を止めてくれるお客さんを見つけては、胸をドキドキさせる。
良く言えば仕事熱心。悪く言えば、不器用。
忙しかったとはいえ、仕事に専念していて夜の約束を気にすることも出来なかった。
それをふと思い出したのは、閉店間際の落ち着いた頃。
売上チェックしていたら、乱れた髪がぱらりと首筋に落ちてきたことに気づく。
男の人と出かける予定があるのに、髪を振り乱して働く私って……女子力ゼロ。
自己嫌悪に陥って、ずーんと項垂れる。
「河村さん? どうしたんですか? 数字、思ったより良くなかったですか?」
「沙月ちゃん……ううん。違うの。ちょっとね。脳内反省会をね」
「え? 反省会?」
「いや、こっちの話。そろそろ閉めよっか」
時計を見ると、閉店時間をちょっとすぎたところ。
パソコンからレジへと移動すると、沙月ちゃんが売り場に並ぶ桜色のカップを手に取った。
「この、春を意識したコーナー。結構売れてましたよね! 新商品も色がきれいな小物が多いから、目に留まるのもわかります」
こういう何気ないひとことが、私に力をくれる。
そんななか、新たに並べた新商品を前に足を止めてくれるお客さんを見つけては、胸をドキドキさせる。
良く言えば仕事熱心。悪く言えば、不器用。
忙しかったとはいえ、仕事に専念していて夜の約束を気にすることも出来なかった。
それをふと思い出したのは、閉店間際の落ち着いた頃。
売上チェックしていたら、乱れた髪がぱらりと首筋に落ちてきたことに気づく。
男の人と出かける予定があるのに、髪を振り乱して働く私って……女子力ゼロ。
自己嫌悪に陥って、ずーんと項垂れる。
「河村さん? どうしたんですか? 数字、思ったより良くなかったですか?」
「沙月ちゃん……ううん。違うの。ちょっとね。脳内反省会をね」
「え? 反省会?」
「いや、こっちの話。そろそろ閉めよっか」
時計を見ると、閉店時間をちょっとすぎたところ。
パソコンからレジへと移動すると、沙月ちゃんが売り場に並ぶ桜色のカップを手に取った。
「この、春を意識したコーナー。結構売れてましたよね! 新商品も色がきれいな小物が多いから、目に留まるのもわかります」
こういう何気ないひとことが、私に力をくれる。