ドルチェ セグレート
ぽつりと聞こえた言葉に、瞬きをして首を小さく傾げた。
神宮司さんは、険しい思いを眉根に刻み、視線を足元に落とす。
「行き詰ってる俺を、似た感性を持つキミが」
いつも胸に響くような低音の声が、今ではなんだか弱々しい。
言葉の意味を模索し、すぐにある答えに到達する。
「あ……。それで、次いつ来るのかって聞いて……?」
本当に、私が彼と同じような感性というものを持っているのかはわからないけど。
神宮司さんは、スイーツについて何かしらの意見が欲しくて、私の予定を聞いたのかもしれない。
口を閉ざしたところをみると、どうやらそれが正解で合っているみたい。
「わかりました。私なんかでよければ」
「え? な、なに?」
後半は、神宮司さんがずっと私から顔を逸らし続けていた。
久方ぶりに目が合ったのは、私が突然、彼の手首を掴んだから。
吃驚した神宮司さんを、そのままグイグイと引っ張り歩く。
「ここではゆっくり話が出来ないので。うちに行きましょう」
「は? いや。でも、それはちょっと」
「神宮司さんのように作ったりは出来ませんけど。スイーツについて語ることはできますよ。なんなら、陽が昇るまで」
手を離さずに、振り返りながらイタズラに笑い掛ける。
神宮司さんも初めは呆気に取られたみたいだったけど、観念したのか、失笑してされるがままについてきてくれた。
神宮司さんは、険しい思いを眉根に刻み、視線を足元に落とす。
「行き詰ってる俺を、似た感性を持つキミが」
いつも胸に響くような低音の声が、今ではなんだか弱々しい。
言葉の意味を模索し、すぐにある答えに到達する。
「あ……。それで、次いつ来るのかって聞いて……?」
本当に、私が彼と同じような感性というものを持っているのかはわからないけど。
神宮司さんは、スイーツについて何かしらの意見が欲しくて、私の予定を聞いたのかもしれない。
口を閉ざしたところをみると、どうやらそれが正解で合っているみたい。
「わかりました。私なんかでよければ」
「え? な、なに?」
後半は、神宮司さんがずっと私から顔を逸らし続けていた。
久方ぶりに目が合ったのは、私が突然、彼の手首を掴んだから。
吃驚した神宮司さんを、そのままグイグイと引っ張り歩く。
「ここではゆっくり話が出来ないので。うちに行きましょう」
「は? いや。でも、それはちょっと」
「神宮司さんのように作ったりは出来ませんけど。スイーツについて語ることはできますよ。なんなら、陽が昇るまで」
手を離さずに、振り返りながらイタズラに笑い掛ける。
神宮司さんも初めは呆気に取られたみたいだったけど、観念したのか、失笑してされるがままについてきてくれた。