【完】冷たい彼との罰ゲーム
好きなんです!

罰ゲーム





「猪原聖(イノハラ セイ)くん! 好きです!」




私、相原日夏(アイバラ ヒナツ)には、今好きな人がいます!


なんと!

同じクラス!


机に、目が合わないように顔を伏せている彼に告白をしているところです。


相手は、私が今言った、猪原聖くん。

サラサラそうな黒髪に、少しこげ茶色が入った髪。


身長は、かなりの長身で、実際に聞いていないからわからないけれど、170cmは普通にあるはず!


キレのある目、鼻、口。

全てがもう……整っている、というのだろうか。


そんな猪原くんだから、女の子にモテないわけがない。


……もちろん、彼はモテるのだけれど、彼は女の子には興味がない、らしい。


そして、私はというと、染めた茶色い髪が肩にちょうどかかるくらいのミディアムヘア。


クラスのみんなとは、普通に話すくらいの私。


そんな私が、今学校1モテると言われている猪原くんに告白中!!


なのだけれど……、


「……えっと……き、聞いてる?」


「…………」


彼の反応はどうも、無反応。


「ちょっと、日夏。そろそろやめなよ〜」

そんな事を後ろから言ってきたのは、


「リン!!」

戸田林(トダ リン)


私の唯一仲良くさせてもらっている女の子。


「いつもいつも、相手してもらえないのに、よく飽きずに毎回好き好き言うわね」


呆れ口調で言うリンは、いつもこんな調子で言ってくる。


「だって、好きなんだもん!!」

“えっへん!”とドヤ顔で私は言う。



そう……。

私の告白は今日だけではない。


毎回毎回、猪原くんに好きと言う。




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