【完】冷たい彼との罰ゲーム
「い、猪原くん! よかったら一緒に帰る、なんてどうかな?」
思い切った。
思い切って言ってみたぞ、私!!
だけど、返事は
「……は? なんで?」
当然のように返ってくる返事。
「……いや、その。私たち一応付き合ってるわけ、だし……」
そう!
そうだ!
負けるな、相原日夏!
「あのさ」
「は、はいっ」
「いくらゲームだからって言ってそこまでされるの……ウザい」
えっ……。
「じゃ、じゃあ! どんなことなら、いいの!? 私たち付き合ってることになってるんだから!!」
よし、いいぞ、相原日夏!!
「んなら、形だけそういうのにしとけば? 俺ああいうベタなこととか絶対無理だから」
「んじゃ」と最後に付け足し、帰って行く猪原くん。
…………ガーン。
「猪原くんが、好きだああああああっ!!!!」
大きな声で、私はとりあえず叫んだ。