綺麗な薔薇には闇がある


……彼女の手首を、しっかりと掴んでいた



すぐに律たちが駆け寄ってきて、全員で彼女を引き上げる


全員で引き上げたと言っても、彼女は綿のように軽く、一人でも十分そうだった



「...はぁ……はぁ…………」


床に彼女を下ろすと、彼女は荒い呼吸を数回繰り返した


そしてその口から、掠れ気味な声で言葉を紡ぎ出す



「…………どうして……っ...


どうして私を救うの!!

どうして死なせてくれないの!?」


俺たちを見る彼女の目には、零れそうなほどの涙が溜まっていて


その悲痛な叫びに、涙に、 心が痛んだ



「……消えていい命なんて、この世に一つたりとも無いからだ」


俺は彼女にそう告げた


彼女は再び目を見開いて俺を凝視した
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