あなたの世界へ恋をする。
Ⅰ
「今日からここがあんたの家ね。
ここの家主の名前は藤崎蓮司さん。
失礼のないようにね。」
そう早口で行ったかと思うとさっさと姿を消した。
私の両親は早くに死んじゃったから親戚を転々としてきた。
だから、家が変わることにはなんの抵抗もないんだけど…
「でかぁ…」
それにしてもこの家でかすぎでしょ。
しかも門の横には藤崎組の文字。
もぅ、明らかにヤクザでしょ。極道でしょ。
こんなのが私の親戚いたとは…
そう思いながらもなんの躊躇もせず門をくぐった。