太陽と月の行進曲
「なんで木村の悪がきが、聖美の彼氏なのよ」
「悪がきだったのはガキのころの話だろうが!」
「今だって大差ないでしょ!」
「そんなことはないって!」
「よくもあの時、石を投げつけてくれたわね!」
「いつの話だよ!」
とても社会人と高校生の会話には聞こえない。どちらかというと聞くに堪えない感じだ。
仕方がなく聖美が大きな音をさせながらテーブルに茶器を置くと、二人とも黙り込む。
「お姉ちゃん?」
低い声で聖美が言うと、聖子は肩をすくめて片手を振った。
「悪かった。悪かったわよ。そんなに怒らないでちょうだい」
聖子はそう言うと、じろっと勇樹を睨み付けてから、笑みを浮かべて勇樹を見下ろす。
そうしているとキツイ顔立ちがますます強調され、とても怖いと言われるのを彼女は知っていた。
「うちの妹泣かせたら、ただじゃおかないよ?」
「馬鹿なこというな」
睨み合いはすぐに終わり、それを見計らったように父が勇樹に声をかける。
「では木村君、夕飯を食べて行きたまえ」
父の一言に勇樹は慌てて手を振り、困ったように聖美を見た。
「や。ケーキもご馳走になったし。夕飯までは悪いっす」
「遠慮することはない。どうせ作るのは聖美だ」
勇樹は一瞬考えて、それから姿勢を正すと真面目な顔をする。
「それは食べたいかも知れないっす」
「悪がきだったのはガキのころの話だろうが!」
「今だって大差ないでしょ!」
「そんなことはないって!」
「よくもあの時、石を投げつけてくれたわね!」
「いつの話だよ!」
とても社会人と高校生の会話には聞こえない。どちらかというと聞くに堪えない感じだ。
仕方がなく聖美が大きな音をさせながらテーブルに茶器を置くと、二人とも黙り込む。
「お姉ちゃん?」
低い声で聖美が言うと、聖子は肩をすくめて片手を振った。
「悪かった。悪かったわよ。そんなに怒らないでちょうだい」
聖子はそう言うと、じろっと勇樹を睨み付けてから、笑みを浮かべて勇樹を見下ろす。
そうしているとキツイ顔立ちがますます強調され、とても怖いと言われるのを彼女は知っていた。
「うちの妹泣かせたら、ただじゃおかないよ?」
「馬鹿なこというな」
睨み合いはすぐに終わり、それを見計らったように父が勇樹に声をかける。
「では木村君、夕飯を食べて行きたまえ」
父の一言に勇樹は慌てて手を振り、困ったように聖美を見た。
「や。ケーキもご馳走になったし。夕飯までは悪いっす」
「遠慮することはない。どうせ作るのは聖美だ」
勇樹は一瞬考えて、それから姿勢を正すと真面目な顔をする。
「それは食べたいかも知れないっす」