太陽と月の行進曲
小学の頃は同じクラスでもなかったので、母の葬式に勇樹が来るとは思えない。
同じ町とは言え、町内会の人間でもなければそんなものだろう。
「いや。だいたい俺は、お前が早退するの見てたし」
「そっか。そうなんだ」
とにかくその時の記憶は曖昧だ。
自動ドアを抜けてスーパーに入ると、何気なく聖美は勇樹に声をかける。
「じゃ、お弁当作ってあげよっか?」
「マジで!?」
「うん。別にいいよ。いつも3人分作ってるけど、結構、3人分って半端だし」
「……ついでかよ」
ちょっと不機嫌な声に首を傾げる。
「いらない?」
勇樹はとんでもないというように、思い切り首を振った。
「絶対いる!」
その真面目な顔が可笑しくて、聖美はクスクス笑う。
「勇樹君て面白いね」
「お前ほどじゃないって」
「私は普通だよ」
野菜売り場を眺めながら聖美は勇樹を振り返った。
「クリスマスのプレゼントはともかく、夕飯何がいい? 嫌いなもの、ある?」
「や。別にない」
姉は嫌いなものでも文句は言いながら食べるし、父はなんでも……場合によっては虫まで食べる人なので気にしない。
「好物とかってある?」
「うーん……から揚げ?」
「じゃ、鳥からにしよう」
人参一袋をカゴに入れ、ついでにレタスの芯を見ながら新鮮なものをカゴに入れていく。
次々に増えていくカゴの中身に、勇樹は感心した。
同じ町とは言え、町内会の人間でもなければそんなものだろう。
「いや。だいたい俺は、お前が早退するの見てたし」
「そっか。そうなんだ」
とにかくその時の記憶は曖昧だ。
自動ドアを抜けてスーパーに入ると、何気なく聖美は勇樹に声をかける。
「じゃ、お弁当作ってあげよっか?」
「マジで!?」
「うん。別にいいよ。いつも3人分作ってるけど、結構、3人分って半端だし」
「……ついでかよ」
ちょっと不機嫌な声に首を傾げる。
「いらない?」
勇樹はとんでもないというように、思い切り首を振った。
「絶対いる!」
その真面目な顔が可笑しくて、聖美はクスクス笑う。
「勇樹君て面白いね」
「お前ほどじゃないって」
「私は普通だよ」
野菜売り場を眺めながら聖美は勇樹を振り返った。
「クリスマスのプレゼントはともかく、夕飯何がいい? 嫌いなもの、ある?」
「や。別にない」
姉は嫌いなものでも文句は言いながら食べるし、父はなんでも……場合によっては虫まで食べる人なので気にしない。
「好物とかってある?」
「うーん……から揚げ?」
「じゃ、鳥からにしよう」
人参一袋をカゴに入れ、ついでにレタスの芯を見ながら新鮮なものをカゴに入れていく。
次々に増えていくカゴの中身に、勇樹は感心した。