太陽と月の行進曲
勇樹と聖美
*****
「おはよう!」
翌朝、玄関を開けた聖美に勇樹はにこやかに挨拶した。
それをぱちくりと見て、聖美は一瞬視線を彷徨わせる。
やっぱり、あのメールは引いたか?
勇樹の内心の焦りをよそに、聖美は弁当片手に大きく玄関を開けた。
「入って?」
「は?」
「お姉ちゃんに突撃される」
まったく意味がわからないでいると、奥から聖子が走ってきた。
「聖美!」
まるでリレーのバトンの様に聖子に弁当を渡し、聖美は身体ごと勇樹を押しのける。
「ありがとうね!」
目の前を聖子が走り抜けて行く。その様子を眺め、勇樹はあっけに取られていた。
「ええと……」
「朝はいつもああなの」
聖美は呟くと、ニコリと微笑んだ。
その表情に、勇樹は思わず手が出そうになって押し留める。
「昨日、途中で寝ちゃった」
聖美は少し肩を竦めて、勇樹から離れた。
「ちょっと待っててね」
そう言うなり聖美は玄関先で制服のタイを結び、コートを羽織ってからカバンを片手に出てきて、玄関のドアを閉めると、きちんと鍵をかける。
「いこっか?」
促されて、勇樹も歩き始めた。
「おはよう!」
翌朝、玄関を開けた聖美に勇樹はにこやかに挨拶した。
それをぱちくりと見て、聖美は一瞬視線を彷徨わせる。
やっぱり、あのメールは引いたか?
勇樹の内心の焦りをよそに、聖美は弁当片手に大きく玄関を開けた。
「入って?」
「は?」
「お姉ちゃんに突撃される」
まったく意味がわからないでいると、奥から聖子が走ってきた。
「聖美!」
まるでリレーのバトンの様に聖子に弁当を渡し、聖美は身体ごと勇樹を押しのける。
「ありがとうね!」
目の前を聖子が走り抜けて行く。その様子を眺め、勇樹はあっけに取られていた。
「ええと……」
「朝はいつもああなの」
聖美は呟くと、ニコリと微笑んだ。
その表情に、勇樹は思わず手が出そうになって押し留める。
「昨日、途中で寝ちゃった」
聖美は少し肩を竦めて、勇樹から離れた。
「ちょっと待っててね」
そう言うなり聖美は玄関先で制服のタイを結び、コートを羽織ってからカバンを片手に出てきて、玄関のドアを閉めると、きちんと鍵をかける。
「いこっか?」
促されて、勇樹も歩き始めた。