太陽と月の行進曲
太陽と月
聖美と奈々と勇樹と要
*****
午前中の授業も終わった昼休み。
何故か集まってきた勇樹と要に奈々は眉を吊り上げた。
「なんで、あんたたちが来るわけ?」
「や。だって俺、聖美に弁当作ってもらう約束してるし?」
「俺は、勇樹のお目付け役だし?」
勇樹と、その親友で悪友の要の解るようで解らない言い訳に、聖美は笑いながらも肩を竦める。
「たまにはいいよ。賑やかで」
聖美が宥めるように言うと、奈々は二人を指差しながら詰め寄った。
「一度許すと、とことんずうずうしいのよ! 特に要!」
「え? 何。お前ら仲良かった?」
聖美の隣に椅子を持ってきながら勇樹は首を傾げ、奈々はキッと勇樹を振り返り、要を指差した。
「こいつとは隣の家よ!」
「え? でも小学は一緒じゃなかったよな?」
「学区がちょっと違ったんだ」
騒ぐ彼女の剣幕を気にした様子もなく要が答え、パンを片手に目の前に座ったので、奈々は諦めたように溜め息をついた。
そうなんだ。知らなかった。聖美はそう思いながら、持ってきたお弁当の包みをカバンから取り出す。
父親の弁当箱は大きくて、鞄の中で少し斜めになっていた。
午前中の授業も終わった昼休み。
何故か集まってきた勇樹と要に奈々は眉を吊り上げた。
「なんで、あんたたちが来るわけ?」
「や。だって俺、聖美に弁当作ってもらう約束してるし?」
「俺は、勇樹のお目付け役だし?」
勇樹と、その親友で悪友の要の解るようで解らない言い訳に、聖美は笑いながらも肩を竦める。
「たまにはいいよ。賑やかで」
聖美が宥めるように言うと、奈々は二人を指差しながら詰め寄った。
「一度許すと、とことんずうずうしいのよ! 特に要!」
「え? 何。お前ら仲良かった?」
聖美の隣に椅子を持ってきながら勇樹は首を傾げ、奈々はキッと勇樹を振り返り、要を指差した。
「こいつとは隣の家よ!」
「え? でも小学は一緒じゃなかったよな?」
「学区がちょっと違ったんだ」
騒ぐ彼女の剣幕を気にした様子もなく要が答え、パンを片手に目の前に座ったので、奈々は諦めたように溜め息をついた。
そうなんだ。知らなかった。聖美はそう思いながら、持ってきたお弁当の包みをカバンから取り出す。
父親の弁当箱は大きくて、鞄の中で少し斜めになっていた。