太陽と月の行進曲
聖美と奈々とやっぱり聖美
*****
「あんた。その格好でクラスパーティーに行くの?」
24日。迎えに来た奈々が、聖美の姿に目を丸くしていた。
「だって、お姉ちゃんが……」
聖美は呟いて自らを見下ろす。
今年の聖子のクリスマスプレゼントは、レースとフリルがふんだんに使われた黒のふんわりプリーツスカートに、袖口だけがフンワリとした形は乙女チックな黒の長袖ブラウス、それから黒いタイツに黒いフリルのついたヘアバンドだった。
さながら、黒いドレスのフランス人形か、はたまた黒服のメイドか。
「どこのゴシック少女よ」
「私も思う」
「何言ってるのよ! ゴシックは乙女の夢じゃない」
恐らく、聖子の夢なのだろう。押し付けられた聖美は迷惑だ。
泣く泣くコートを着込んで、ケーキの入った紙袋を持つと玄関を出た。
「あんたのねぇさんの趣味も、たまに解かんないものがあるわね」
シミジミと呟かれて、聖美は瞑目する。
「たまに、なんでお姉ちゃんはお姉ちゃんなんだろうと思う時があるよ」
「いやぁ~。似合っちゃうあんたもあんただけど」
「一応、喜んでおく」
呟いて、奈々の様子を見て首を傾げた。
奈々の服装は学校に着てくるのと同じ灰色のPコート。
それからぴったりとしたストレートのジーパンに、白いセーターだ。
「あんた。その格好でクラスパーティーに行くの?」
24日。迎えに来た奈々が、聖美の姿に目を丸くしていた。
「だって、お姉ちゃんが……」
聖美は呟いて自らを見下ろす。
今年の聖子のクリスマスプレゼントは、レースとフリルがふんだんに使われた黒のふんわりプリーツスカートに、袖口だけがフンワリとした形は乙女チックな黒の長袖ブラウス、それから黒いタイツに黒いフリルのついたヘアバンドだった。
さながら、黒いドレスのフランス人形か、はたまた黒服のメイドか。
「どこのゴシック少女よ」
「私も思う」
「何言ってるのよ! ゴシックは乙女の夢じゃない」
恐らく、聖子の夢なのだろう。押し付けられた聖美は迷惑だ。
泣く泣くコートを着込んで、ケーキの入った紙袋を持つと玄関を出た。
「あんたのねぇさんの趣味も、たまに解かんないものがあるわね」
シミジミと呟かれて、聖美は瞑目する。
「たまに、なんでお姉ちゃんはお姉ちゃんなんだろうと思う時があるよ」
「いやぁ~。似合っちゃうあんたもあんただけど」
「一応、喜んでおく」
呟いて、奈々の様子を見て首を傾げた。
奈々の服装は学校に着てくるのと同じ灰色のPコート。
それからぴったりとしたストレートのジーパンに、白いセーターだ。