太陽と月の行進曲
「でもなんで!?」

「自分でもよく判らない」

その呟きを聞いたのか、勇樹が奈々と聖美の間に割り込んでくる。

「俺、ちゃんとつき合おうって言ったよね?」

「うん。聞いた」

しっかりと念のために二度聞いた。

「じゃ、そういうこと!」

そう言って、勇樹はいつもつるんでいる仲間のほうに行ってしまい、奈々は頭を押さえて首を振っている。

「もしかして、今みたいな調子でOKしちゃったって訳ね?」

「うん。多分そう」

「あー……あんたって子は」

両手で顔を隠している奈々に、聖美は首を傾げた。

「まずかった?」

「よ~く考えても見て。相手は問題児よ? それなのに……」

聖美は言われてよく考えてみる。

確かに、勇樹はよく騒ぐし担任からも注意を受けやすい。
それが問題といえば問題かもしれないが、問題児だとはあまり思えなかった。

「にしても、なんであんたなのかね?」

「うん。それは私にもよくわからない」
< 7 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop