太陽と月の行進曲
勇樹と奈々となぜか要
*****
「聖美!」
慌てて立ち上がり、追いかけようとした勇樹を、店から聖美を追ってきた奈々が掴んで止める。
「やめて! あんたなんかに聖美を追いかける資格なんかない!」
「はぁ? 何言ってんのお前。いいから離せって!」
「行かせるもんですか! 離さない!」
もみ合う二人を要が止めた。
ひょいと、奈々を持ち上げて引き離す形で。
「お前が取り乱しても仕方ないだろう? 加藤は……どうしたんだ?」
奈々は要の言葉に大きく息を吸い、その顔を見た途端ボロボロと泣き始める。
あの気の強い小姑が泣いてる?
勇樹はただ呆然とそれを見て、要の静かな目と目が合った。
「勇樹。ちょっと待ってくれ。コイツ興奮するとこうだから」
頷いて、奈々が泣きながら何か言っているのに耳を澄ます。
「賭け?」
要が聞き取って呟いた単語に、勇樹は首を傾げた。
しゃべっているうちになおさら興奮してきたのか、奈々の声は訳もわからず大きくなっていく。
「だから! 落ち着けって奈々!」
「っだよ! しゃべってくれないと訳わかんねーよ!」
「聖美!」
慌てて立ち上がり、追いかけようとした勇樹を、店から聖美を追ってきた奈々が掴んで止める。
「やめて! あんたなんかに聖美を追いかける資格なんかない!」
「はぁ? 何言ってんのお前。いいから離せって!」
「行かせるもんですか! 離さない!」
もみ合う二人を要が止めた。
ひょいと、奈々を持ち上げて引き離す形で。
「お前が取り乱しても仕方ないだろう? 加藤は……どうしたんだ?」
奈々は要の言葉に大きく息を吸い、その顔を見た途端ボロボロと泣き始める。
あの気の強い小姑が泣いてる?
勇樹はただ呆然とそれを見て、要の静かな目と目が合った。
「勇樹。ちょっと待ってくれ。コイツ興奮するとこうだから」
頷いて、奈々が泣きながら何か言っているのに耳を澄ます。
「賭け?」
要が聞き取って呟いた単語に、勇樹は首を傾げた。
しゃべっているうちになおさら興奮してきたのか、奈々の声は訳もわからず大きくなっていく。
「だから! 落ち着けって奈々!」
「っだよ! しゃべってくれないと訳わかんねーよ!」