太陽と月の行進曲
「うん。勇樹くんの元気は私の元気だから」

クスクスと笑いあっていると、イキナリ勇樹のスマホが鳴った。

着信を見て、勇樹が眉をしかめる。

「はい?」

聖美が首を傾げていると、勇樹の顔が唐突に険しくなった。

「ああ? 雰囲気壊されただぁ? 知らねぇよ、こっちだって一緒だって! ああ。うん。見つけたから、吉岡にはそう言っておいて。じゃあな」

悪態を付きながら乱暴にスマホをしまっている勇樹に、聖美はますます首を傾げる。

「奈々ちゃん?」

「や。要の方」

短く答えて、溜め息をつく。

「ま、いっか」

そう言って、勇樹は持ってきたバックの中身をさぐった。

「ホワイトクリスマスはどうやら無理っぽいけど、これで我慢してくれ」

そう言って、小さな箱を聖美の手に置いた。

「クリスマスプレゼント?」

「そういうこと。言っとくけど、そんなに高いもんじゃない!」

開けてみて、聖美は瞬きをした。銀色の鎖に小さなペンダントヘッド。

そのペンダントヘッドは、小さな雪の結晶の形をしていた。
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