太陽と月の行進曲
びっくりしたまま目を開けている聖美に、勇樹は唇を重ねたまま笑って、片手で両目を覆った。
しばらくして、そっと離れた唇。
聖美が目を開けると、勇樹の楽しそうな、だけれど悪戯っぽい目と目が合う。
「確かに、甘いな」
その言葉に、聖美は真っ赤になった。
「もし、泣きたいときがあったら……」
肩を引き寄せられ、抱きしめられて、聖美は頭を勇樹の胸に預ける。
「逃げないで、俺のここで泣いていいから」
そう言った勇樹の言葉が嬉しくて、聖美は小さくうなずいて目をつぶった。
暖かい。その暖かさが心地よい。
「あ……」
勇樹の声に目を開く。
「雪だ」
簡素なイルミネーションの灯りに照らされて、フワフワとした軽い雪が舞っていた。
二人の想いの様にさりげなく……
そしてとても静かに──………
太陽と月の行進曲
2007.12.18(他サイト)
2016.1.18(加筆・移転) 【完結】
しばらくして、そっと離れた唇。
聖美が目を開けると、勇樹の楽しそうな、だけれど悪戯っぽい目と目が合う。
「確かに、甘いな」
その言葉に、聖美は真っ赤になった。
「もし、泣きたいときがあったら……」
肩を引き寄せられ、抱きしめられて、聖美は頭を勇樹の胸に預ける。
「逃げないで、俺のここで泣いていいから」
そう言った勇樹の言葉が嬉しくて、聖美は小さくうなずいて目をつぶった。
暖かい。その暖かさが心地よい。
「あ……」
勇樹の声に目を開く。
「雪だ」
簡素なイルミネーションの灯りに照らされて、フワフワとした軽い雪が舞っていた。
二人の想いの様にさりげなく……
そしてとても静かに──………
太陽と月の行進曲
2007.12.18(他サイト)
2016.1.18(加筆・移転) 【完結】