雪降る夜に教えてよ。
『しかし、笑わない日本人は珍しいな』
と言うルイ氏にムッとすると、それに気が付いた桐生さんがニヤリとした。
『ルイ。あまり変なことを言っていると……』
『偏見です。私は自分で笑いたいときに笑います』
出来るだけやんわりと言うと、気を悪くした風もなくルイ氏は豪快に笑う。
『なかなか良いアシスタントだ。ハッキリ意見する子はいいね!』
『いえ。彼女は普段無口ですよ』
はい。無口ですけどね。おしゃべりは普段から佳奈に任せまくってるし。
『まぁ、良い。少し建設的な話をしようじゃないか』
そう言うなり、唐突にルイ氏は新しい会社のソフトの話を始めた。
そうなると本当に専門用語だらけで、私にも理解しがたい。
こればかりは日常会話やビジネス英語の範囲外だしなぁ。今度、習おうかな……。でも、さすがに習う場所を探せるかなぁ。
そんなことをぼんやり考えていたら、桐生さんはルイ氏と話しながら受け取った資料に目を通し、そのまま私に渡してくる。
システムのプログラムなら私にも判る。
資料に目を通しながら、次々にファイリングして行った。
『ところでサナエ。君はそのプログラムソフトについてどう思うかね?』
ルイ氏に急に声を掛けられて、キョトンと彼を見上げた。
『うちの会社で、と言うことですか?』
『その通り。君個人の意見としてはどうだね?』
個人的に……か。
ちらっと桐生さんを見ると、涼しい顔で腕を組んでいる。
助け舟は出してくれそうもない。どうやら自分で切り抜けろと言うことらしい?
『プログラミングは多少と言うところで解りかねますが……うちのシステムとの互換性の面で難しい。と言うのは解ります』
桐生さんはイキナリ吹き出し、ルイ氏はやれやれと言う風に肩をすくめた。
『貴重な意見だ。ユキはビジネスになると、こちらに手のうちを明かさないからな』
あ。それはマズイ?
ちらっと見ると、気にするなと言う風に首を振る……から、いいか。
『あれで互換性がないとすると……こちらではどうだ』
などとルイ氏は、またまた次々とパンフや資料を出して来て、パタパタしながら全てのファイリングが終わった後、桐生さんはルイ氏と握手した。
『最終的な判断は会議にかけてからとなりますが、後ほど連絡をします』
手を離すと、ルイ氏は感心したように桐生さんを見つめて、それから微笑んだ。
『あのやんちゃ坊主がここまで成長するとはねぇ』
やんちゃ坊主、の言葉に顔を上げる。
ルイ氏と桐生さんは、昔からの知り合いなんですか?
『ハハッ! やんちゃ坊主はないでしょ』
『何を言う。人のブーツに蛙をいれるような子供は、やんちゃ坊主で十分だ』
うん。確かに十分だ。てか、そんな事してたのか。
と言うルイ氏にムッとすると、それに気が付いた桐生さんがニヤリとした。
『ルイ。あまり変なことを言っていると……』
『偏見です。私は自分で笑いたいときに笑います』
出来るだけやんわりと言うと、気を悪くした風もなくルイ氏は豪快に笑う。
『なかなか良いアシスタントだ。ハッキリ意見する子はいいね!』
『いえ。彼女は普段無口ですよ』
はい。無口ですけどね。おしゃべりは普段から佳奈に任せまくってるし。
『まぁ、良い。少し建設的な話をしようじゃないか』
そう言うなり、唐突にルイ氏は新しい会社のソフトの話を始めた。
そうなると本当に専門用語だらけで、私にも理解しがたい。
こればかりは日常会話やビジネス英語の範囲外だしなぁ。今度、習おうかな……。でも、さすがに習う場所を探せるかなぁ。
そんなことをぼんやり考えていたら、桐生さんはルイ氏と話しながら受け取った資料に目を通し、そのまま私に渡してくる。
システムのプログラムなら私にも判る。
資料に目を通しながら、次々にファイリングして行った。
『ところでサナエ。君はそのプログラムソフトについてどう思うかね?』
ルイ氏に急に声を掛けられて、キョトンと彼を見上げた。
『うちの会社で、と言うことですか?』
『その通り。君個人の意見としてはどうだね?』
個人的に……か。
ちらっと桐生さんを見ると、涼しい顔で腕を組んでいる。
助け舟は出してくれそうもない。どうやら自分で切り抜けろと言うことらしい?
『プログラミングは多少と言うところで解りかねますが……うちのシステムとの互換性の面で難しい。と言うのは解ります』
桐生さんはイキナリ吹き出し、ルイ氏はやれやれと言う風に肩をすくめた。
『貴重な意見だ。ユキはビジネスになると、こちらに手のうちを明かさないからな』
あ。それはマズイ?
ちらっと見ると、気にするなと言う風に首を振る……から、いいか。
『あれで互換性がないとすると……こちらではどうだ』
などとルイ氏は、またまた次々とパンフや資料を出して来て、パタパタしながら全てのファイリングが終わった後、桐生さんはルイ氏と握手した。
『最終的な判断は会議にかけてからとなりますが、後ほど連絡をします』
手を離すと、ルイ氏は感心したように桐生さんを見つめて、それから微笑んだ。
『あのやんちゃ坊主がここまで成長するとはねぇ』
やんちゃ坊主、の言葉に顔を上げる。
ルイ氏と桐生さんは、昔からの知り合いなんですか?
『ハハッ! やんちゃ坊主はないでしょ』
『何を言う。人のブーツに蛙をいれるような子供は、やんちゃ坊主で十分だ』
うん。確かに十分だ。てか、そんな事してたのか。