雪降る夜に教えてよ。
「それで家電に電話だったんですか」
微笑まれて苦笑する。
じゃあ、あの告白は、全部聞いていたという事だよね。
「まぁ、そういうことかな」
ゆっくりとした呟きと一緒に、抱きしめられて安堵した。
この暖かさが安心する。
安心して、同時にドキドキもする。
「桐生さん?」
「ん?」
「好きですよ」
囁くようにして言うと、イキナリ引き離されて向き合う形にされて瞬きした。
「ずるくないか!? それ」
え!? 何がどうずるいの?
何かを間違ったの?
告白ってどうすればいいの? 今のじゃダメなの?
「そういうのは顔を見て言う!」
真剣な桐生さんの表情にドキマギする。
え。えぇ~……面と向かってという事ですか?
でも、ホラそれってかなり勇気がいると思うのね?
視線をきょろきょろとさせていたら、こめかみにそっとキスされた。
「……ちゃんと、聞きたい」
優しく諭されて、目を合わせる。
「……好きですよ」
微笑まれて、そしてゆっくりと唇を合わせた。
いつものように煽情的なものではなくて、何かを確かめるような優しいキス。
それからまた、強く抱きしめられる。
「ありがとう」
「い、いいえ!」
我ながら妙な返事を返した時、桐生さんはニヤッと笑って私を覗き込んだ。
「ところで俺からも、もうひとつ」
桐生さんは白い封筒を指に挟んでヒラヒラさせた。
なんか、見覚えがあるような……。
桐生さんは満足げな笑みを浮かべて、小首を傾げた。
「今更、俺のアシスタント替えるつもりないから」
清々しく微笑まれて息を飲む。
「それっ!!」
私の異動願い!!
「本当、早良さんにはかなわないねぇ」
さ、早良さん。あなた室長のデスクからそれ奪ったわけですか?
「……侮るなかれ、ヘルプデスクの影の女傑」
私の呟きに、桐生さんは大爆笑した───……
雪降る夜に聞かせてよ。完結
加筆修正:2016.3.26
微笑まれて苦笑する。
じゃあ、あの告白は、全部聞いていたという事だよね。
「まぁ、そういうことかな」
ゆっくりとした呟きと一緒に、抱きしめられて安堵した。
この暖かさが安心する。
安心して、同時にドキドキもする。
「桐生さん?」
「ん?」
「好きですよ」
囁くようにして言うと、イキナリ引き離されて向き合う形にされて瞬きした。
「ずるくないか!? それ」
え!? 何がどうずるいの?
何かを間違ったの?
告白ってどうすればいいの? 今のじゃダメなの?
「そういうのは顔を見て言う!」
真剣な桐生さんの表情にドキマギする。
え。えぇ~……面と向かってという事ですか?
でも、ホラそれってかなり勇気がいると思うのね?
視線をきょろきょろとさせていたら、こめかみにそっとキスされた。
「……ちゃんと、聞きたい」
優しく諭されて、目を合わせる。
「……好きですよ」
微笑まれて、そしてゆっくりと唇を合わせた。
いつものように煽情的なものではなくて、何かを確かめるような優しいキス。
それからまた、強く抱きしめられる。
「ありがとう」
「い、いいえ!」
我ながら妙な返事を返した時、桐生さんはニヤッと笑って私を覗き込んだ。
「ところで俺からも、もうひとつ」
桐生さんは白い封筒を指に挟んでヒラヒラさせた。
なんか、見覚えがあるような……。
桐生さんは満足げな笑みを浮かべて、小首を傾げた。
「今更、俺のアシスタント替えるつもりないから」
清々しく微笑まれて息を飲む。
「それっ!!」
私の異動願い!!
「本当、早良さんにはかなわないねぇ」
さ、早良さん。あなた室長のデスクからそれ奪ったわけですか?
「……侮るなかれ、ヘルプデスクの影の女傑」
私の呟きに、桐生さんは大爆笑した───……
雪降る夜に聞かせてよ。完結
加筆修正:2016.3.26