雪降る夜に教えてよ。
私はその同僚を眺めて軽く息をつくと、何故か彼は固まった。
「仕事に関係はないですが、眼鏡はやめました」
「そ、そう……それはよかった」
何がどう“よかった”のかはわからないけれど、そう言うなり、彼は慌てたように自席に戻って行った。
なんだ、その挙動不振さは。
微かな笑い声に桐生さんを見ると、彼は腕を組んで小首を傾げる。
「眼鏡をしていた方が、柔らかな印象だったかもね」
何がですか。
言うだけ言って、パーテーションの奥に戻って行く桐生さんを見送り、私はタイムカードを押してから、給湯室で花を活ける。
「ちょっと秋元さん!」
振り返った先には、今度は土橋さん。
「そ、そんなことしたって桐生さんは、わ、渡さないから!!」
や。渡さないもないも、彼は誰のモノでもないでしょう?
何故か逃げて行く土橋さんも見送り、私は花瓶を入口に置いてからブースに向かって歩く。
どうして皆、そんな恐ろしいモノでも見るかの様に見てくるんだろうか?
ブースに戻ると、その疑問を桐生さんにぶつけてみた。
あー……なんでも、視線が怖いそうで。
「迫力がある」だの、「壮絶」だの、おおよそ女性を形容するには似つかわしいと思えない絶賛を受け……。
爆笑されてますね。私。
「仕事に関係はないですが、眼鏡はやめました」
「そ、そう……それはよかった」
何がどう“よかった”のかはわからないけれど、そう言うなり、彼は慌てたように自席に戻って行った。
なんだ、その挙動不振さは。
微かな笑い声に桐生さんを見ると、彼は腕を組んで小首を傾げる。
「眼鏡をしていた方が、柔らかな印象だったかもね」
何がですか。
言うだけ言って、パーテーションの奥に戻って行く桐生さんを見送り、私はタイムカードを押してから、給湯室で花を活ける。
「ちょっと秋元さん!」
振り返った先には、今度は土橋さん。
「そ、そんなことしたって桐生さんは、わ、渡さないから!!」
や。渡さないもないも、彼は誰のモノでもないでしょう?
何故か逃げて行く土橋さんも見送り、私は花瓶を入口に置いてからブースに向かって歩く。
どうして皆、そんな恐ろしいモノでも見るかの様に見てくるんだろうか?
ブースに戻ると、その疑問を桐生さんにぶつけてみた。
あー……なんでも、視線が怖いそうで。
「迫力がある」だの、「壮絶」だの、おおよそ女性を形容するには似つかわしいと思えない絶賛を受け……。
爆笑されてますね。私。